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Formulas for IPhO 日本語版: Section 4

Author:Anda Toshiki
Updated:3 months ago
Words:1.3k
Reading:5 min

4: 力学

4.1: 剛体の二次元的な平衡

  1. 剛体の二次元的な平衡 : 力についての 2 つの式とトル クについての 1 つの式. 1 (又は 2 )個の力についての 式は 1(又は 2)個のトルクについての式で代用でき る. トルクの方が良い場合が多く,原点を適切に選択 することで「退屈な」力を消すことができる. もし 2 点 のみに力がかかっているならば,(正味の)力がかかっ ている直線は一致する. 3 点であれば, 3 つの直線は 1 点で交わる.

4.2: 垂直抗力

  1. 垂直抗力と摩擦力は 1 つの力に合成でき, 垂直抗力に 対して arctanμ\arctan \mu の角度で接触点に加わる.

4.3: 並進運動と回転運動

  1. 並進運動と回転運動についての Newton の第二法則:

    F=ma,M=Iε(M=r×F)\boldsymbol{F}=m \boldsymbol{a}, \boldsymbol{M}=I \boldsymbol{\varepsilon} \quad(\boldsymbol{M}=\boldsymbol{r} \times \boldsymbol{F})

    二次元の場合には MMε\varepsilon は本質的にスカラーで, M=Fl=Ftr(lM=F l=F_t r(l は力のうでの長さ ))

4.4: 一般化座標

  1. 一般化座標. 系の状態が 1 つの変数 ξ\xi とその時間微分 ξ˙\dot{\xi} で表され,ポテンシャルエネルギーが U=U(ξ)U=U(\xi), 運動エネルギーが K=μξ2/2K=\mu \xi^2 / 2 であるならば, μξ¨=\mu \ddot{\xi}= dU(ξ)/dξ-\mathrm{d} U(\xi) / \mathrm{d} \xi. (したがって並進運動では, 力はポテン シャルエネルギーの微分)

4.5: 系質点

  1. 系が質点 mim_i で構成されているとき:

    rc=miri/mj,P=miviL=miri×vi,K=mivi2/2Iz=mi(xi2+yi2)=(x2+y2)dm\begin{aligned} & \boldsymbol{r}_c=\sum m_i \boldsymbol{r}_i / \sum m_j, \boldsymbol{P}=\sum m_i \boldsymbol{v}_i \\ & \boldsymbol{L}=\sum m_i \boldsymbol{r}_i \times \boldsymbol{v}_i, K=\sum m_i v_i^2 / 2 \\ & I_z=\sum m_i\left(x_i^2+y_i^2\right)=\int\left(x^2+y^2\right) \mathrm{d} m \\ & \end{aligned}

4.6: 質量中心の速度

  1. 質量中心の速度が vc\boldsymbol{v}_c であるような系 (添え字 cc は質量 中心についての物理量であることを示す):

    L=Lc+MΣRc×vc,K=Kc+MΣvc2/2P=Pc+MΣvc.\begin{gathered} \boldsymbol{L}=\boldsymbol{L}_c+M_{\Sigma} \boldsymbol{R}_c \times \boldsymbol{v}_c, K=K_c+M_{\Sigma} v_c^2 / 2 \\ \boldsymbol{P}=\boldsymbol{P}_c+M_{\Sigma} \boldsymbol{v}_c . \end{gathered}

4.7: Steiner 定理

  1. Steiner の定理(平行軸の定理)も同じような形で は質量中心の回転軸からの距離):

    I=Ic+mb2I=I_c+m b^2

4.8: ポイント 6

  1. ポイント 6 の P\boldsymbol{P}L\boldsymbol{L} を用いて, Newton の第二法則 :

    FΣ=dP/dt,MΣ=dL/dt\boldsymbol{F}_{\Sigma}=\mathrm{d} \boldsymbol{P} / \mathrm{d} t, \boldsymbol{M}_{\Sigma}=\mathrm{d} \boldsymbol{L} / \mathrm{d} t

4.9: ポイント 5

  1. ポイント 5 にに加えて,質量中心を通る zz 軸に対する慣性モ一メントは Iz0=I_{z 0}= i,jmimj[(xixj)2+(yiyj)2]/(2MΣ)\sum_{i, j} m_i m_j\left[\left(x_i-x_j\right)^2+\left(y_i-y_j\right)^2\right] /\left(2 M_{\Sigma}\right)

4.10: 原点に対する慣性

  1. 原点に対する慣性モ一メント θ=miri2\theta=\sum m_i r_i^2 は, 2θ=Ix+Iy+Iz2 \theta=I_x+I_y+I_z を用いることで二次元物体や等 方性のある物体の IzI_z を計算するのに有用.

4.11: 相当単振子の長

  1. 相当単振子の長さが l~\tilde{l} である物理振子 :

    ω2(l)=g/(l+Ic/ml)ω(l)=ω(l~l)=g/l~,l~=l+Ic/ml\begin{aligned} & \omega^2(l)=g /\left(l+I_c / m l\right) \\ & \omega(l)=\omega(\tilde{l}-l)=\sqrt{g / \tilde{l}}, \quad \tilde{l}=l+I_c / m l \\ & \end{aligned}

4.12: 慣性モーメントの係数

  1. 慣性モーメントの係数 : 円柱 12\frac{1}{2}, 球 25\frac{2}{5}, 球殼 23\frac{2}{3}, 棒 112\frac{1}{12} (端に対しては 13\frac{1}{3} ), 正方形 16\frac{1}{6}.

4.13: よく使われる保存則

  1. よく使われる保存則:エネルギー(弾性衝突,摩擦な し), 運動量(正味の外力なし, 各方向について成立), 角運動量(正味の外トルクなし, 例えば, 外力のうでの 長さが 0 (これが 2 又は 3 点のまわりに成り立てば運 動量保存で代用できる))

4.14: 非慣性系における見かけの力

  1. 非慣性系における見かけの力 : 慣性力 ma-m a, 遠心力 mω2Rm \omega^2 \boldsymbol{R}, Coriolis 力 2mv×Ω2 m \boldsymbol{v} \times \Omega (避けた方がよい. 速 度に垂直なので仕事はしない).

4.15: 傾いた座標

  1. 傾いた座標:斜面上での運動については, 斜面に平行 と垂直な方向に軸をとるのがよい。このとき重力加速 度は xx 成分と yy 成分をもつ. 軸は斜交することもある が, v=vxex+vyey\boldsymbol{v}=v_x \boldsymbol{e}_x+v_y \boldsymbol{e}_y のとき vxv_xv\boldsymbol{v}xx 軸への射 影ではない.

4.16: 2 つの物体の衝突

  1. 2 つの物体の衝突 : 保存されるのは, a) 全運動量, b) 全角運動量,c) 一方の物体の衝突点に関する角運動量, d) 全エネルギー(弾性衝突の場合, 摩擦がある場合 は, 摩擦力に垂直な方向の運動エネルギーが保存される. e) 衝突中に滑りが止まったならば,接触点の最終 速度は接触面上にある. f) 滑りが止まらなかったなら ば, 一方の物体から他方に伝わる運動量は, 接触面の 法線と arctanμ\arctan \mu の角度をなす.

4.17: 剛体のすべての運動

  1. 剛体のすべての運動は (物体の各点の速度を見ると) 瞬 間回転中心 CC まわりの回転として表せる. 物体上の点 PPCC からの距離は PP の軌跡の曲率半径とは異なる ことに注意せよ.

4.18: 紐の張力

  1. 紐の張力:重さのある吊り紐では, 張力の水平成分は 一定で垂直成分は下にある紐の重さにより変わる. 滑 らかな面の上の紐による(単位長さあたりの)力は,そ の曲率半径と張力で決まり, N=T/RN=T / R. 似た場合と して, 表面張力による圧力は p=2σ/Rp=2 \sigma / R. 導出には直 径に沿った圧力を調ベる.

4.19: 液体の表面

  1. 液体の表面は(表面張力を無視すれば)等ポテンシャ ル面になる. 非圧縮性流体では, ww をポテンシャルエ ネルギーの体積密度として, p=P0wp=P_0-w.

4.20: 非圧縮性流体に対する Bernoulli の法則

  1. 非圧縮性流体に対する Bernoulli の法則:

    p+12ρv2+ρϕ= const. p+\frac{1}{2} \rho v^2+\rho \phi=\text { const. }

    一様な重力場では ϕ=gh\phi=g h. 比熱が cp[ J/kg]c_p[\mathrm{~J} / \mathrm{kg}] である気 体では,

    12v2+cpT= const. \frac{1}{2} v^2+c_p T=\text { const. }

4.21: 直線的な流線

  1. 直線的な流線に沾う運動量の連続性 : p+ρv2=p+\rho v^2= const.

4.22: 断熱不変量

  1. 断熱不変量 : 振動する系の 1 周期の間のパラメータの 相対的な変化が小さければ,位相空間( xpx-p 座標で表さ れる)上に書かれるループの面積は非常に高い精度で 保存される.

4.23: 安定性

  1. 安定性を調ベるには, a) ポテンシャルエネルギー最小 の原理,又は b) 仮想仕事の原理を用いる.

4.24: 空間的に有限な運動に対する Virial 定理

  1. 空間的に有限な運動に対する Virial 定理:a) もし FrF \propto|\boldsymbol{r}| ならば K=U\langle K\rangle=\langle U\rangle (時間平均). b) もし Fr2F \propto|\boldsymbol{r}|^{-2} ならば 2K=U2\langle K\rangle=-\langle U\rangle.

4.25: Tsiolkovsky 公式

  1. Tsiolkovsky の公式(ロケット): Δv=ulnMm\Delta v=u \ln \frac{M}{m}